Nightmare of Light.
「これ、どーしよっか?」
食材を無駄にしちゃっても、真っ黒焦げにしちゃっても、怒るひとは誰ひとりいなかった。
ゆーみはわたしの涙をふわっとすくいながら、潤った頬を微かに撫でてくる。
「おいっ、写真写真!レア…!はやく撮れって!!」
「尊すぎんだろ…!!ああ…、推し…」
「………おまえらさ、なんなの?」
「ただのオタクっスお気になさらず!!!それくらい憂ニコは尊いんスよマジで…!!」
「なんだよ憂ニコって」
あの写真にいた綺麗な女性は誰だろう。
ずっと気になってはいるけれど、わざわざ聞こうと思うほどではない。
“わたしがぜんぶ食べる”
“俺も食べる。おなか、空いてる”
びっくりした。
無意識にも手話を使ったわたしに、同じものが返ってきたからだ。
大げさなくらいのジェスチャー。
表情をしっかり動かすポイントまで押さえている。