このドクターに恋してる
「郁巳さん……クラクラする……」
「出よう」

 郁巳さんは私を抱き上げて、ベッドに運んだ。
 ひんやりしたシーツの肌触りが心地よくて、目を閉じる。このまま寝てしまいたくなるが、それは許されなかった。
 郁巳さんは疲れているように見えただけで、元気だった。私は彼の欲望を受け止め、身をゆだねた。
 くたくたになるまで……。


 「ありがとうございます」と寝室の外から聞こえる郁巳さんの声で目が覚めた。
 もう朝……あ、ご飯!
 私は急いで浴衣を身につけ、寝室を出た。郁巳さんが振り向いて、微笑む。
 笑顔が眩しすぎる……。

「陽菜、おはよう」
「おはよう、ございます……ごめんなさい、今起きました」
「いいんだよ。俺が無理させちゃったから。体は大丈夫?」
「だ、大丈夫です」

 昨夜の激しかった郁巳さんが脳裏に浮かび、私の顔は熱くなった。
 郁巳さんはそんな私を「真っ赤だ」と笑い、「顔洗う?」と洗面所に連れて行く。
 濡れた顔を丁寧に拭いてくれて、私の手を引っ張った。
 どこまでも一緒に行こうとするが、私は立ち止まる。

「おトイレ、行きます」
「ああ、あっちで待ってるね」

 さすがに中まで入ってこようとしなかったので、安堵する。
 郁巳さんは私が戻ってくるまで食べずに待っていてくれた。
 朝食も文句なしの美味しさで、私たちはきれいに平らげた。
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