このドクターに恋してる
 郁巳さんは私の肩を抱く手に力を込めて、私の頭にすり寄った。
 美結が「わお!」と声をあげる。 

「ひなちゃんといくみせんせー、らぶらぶだぁー」
「おい、美結。そっとしておけ……」

 兄は見なくていいと美結の目を手で隠した。
 美結が足をジタバタさせて、抵抗する。

「やだー、みたーい、らぶらぶーみるぅ!」

 郁巳さんは私から距離を取って「すみません」と言う。彼の耳は赤くなっていた。
 私の顔も赤くなっているはずだ。
 ラブラブなんて言われたら、恥ずかしくて隠れてしまいたい……。
 母が「フフッ」と笑った。

「仲良しなのはいいことよ。ずっと仲良しでいてね」
「なかよしでいてねー」

 母の真似をする美結がおかしてくて、私たちは笑った。
 みんなで笑えるこの瞬間こそが幸せだ。
 楽しいときや嬉しいときはいつも郁巳さんと笑っていたい。

 カフェを出て、郁巳さんとオレンジ色に染まった空を見上げた。

「陽菜、好きだよ」

 郁巳さんが腰を屈めて、私の頬にキスをした。
 優しいキスが嬉しくて、私は彼の腕にしがみつく。

「郁巳さん、だーいすき!」
 
 彼は緩んだ顔で今度は唇にキスをした。



 END
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