プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「うん。やっぱり似合う」

 両耳にピアスを着け終わると、柊仁はにっこりと笑ってそう言ってくれた。自分では見えないが、褒めてもらえればとても嬉しい。

 莉都花はにっこりと笑って、もう一度礼を述べた。

「ありがとう、柊仁。本当に嬉しい」
「どういたしまして。りっかちゃん、もっと近くで見せて。ここおいで」

 柊仁は自分の股の間の床を叩き、そこに座れと促している。

 想像しただけで、莉都花の鼓動は加速していく。

 いきなりそこまで近づくのかと少し動揺している自分もいるが、その距離に入ることを許してもらえたのが嬉しくて、莉都花は小さく「うん」と頷きながら、柊仁のほうへと身を寄せた。

 柊仁に対し、横になる形で体育座りをする。

 柊仁は片手で莉都花を支えるように抱き寄せ、もう片方の手で莉都花の耳に触れている。

「やばいな、これ。マジでかわいすぎ」

 柊仁の瞳がとてつもなく甘い。きっと莉都花の瞳も同じことになっているだろう。

 柊仁への想いが全身に満ち満ちて、もう柊仁のこと以外考えられない。想いが溢れ出してたまらなくなった莉都花は、柊仁の首に腕を回してぎゅっと抱きついた。

 柊仁も強く抱き返してくれる。

 この距離まで近づいたなら、きっと二人の関係を変えても大丈夫なはずだ。

 柊仁への気持ちを強く自覚して以来、ずっと伝えたかった言葉を今伝えたい。

 莉都花は柊仁に抱きついたまま、彼の耳元で囁く。

「柊仁」
「うん?」
「あのね」

 続く言葉は柊仁の目を見ながら言いたいと、ゆっくり体を起こそうとしたら、きらりと光る何かが莉都花の目に入ってきた。

 柊仁の背後にあるベッドのヘッドボードの棚にそれはある。女物の貴金属に見えるそれを、目を凝らしてよく見れば、それはとても見覚えのあるものだった。
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