プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
 これまでずっとゲストとして参加していた舞台に、莉都花は今日、主役として立つ。

 真っ白なドレスに身を包めば、今日が二人にとっての大事な出発地点なのだと自然と実感させられる。これからの二人の未来を、二人の色と模様で描いていくのだ。

 式場の扉が開くと、そこにはたくさんの見知った顔があって、莉都花は顔をほころばせる。家族がいるのはもちろんのこと、千紗や朱里といった同僚に上司、親しい友人も莉都花たちを祝いに来てくれた。柊仁側のゲストには哲也もいる。

 そして、大輝と美遥、和真と祥子の姿もあった。

 彼らを招待することには気おくれを感じていたが、それを後押ししたのは意外にも彼ら自身だった。

 過去に心配をかけてしまったという自覚はあった莉都花は、それぞれにメールを送っていた。結婚することになったと。

 そうしたら全員から即座に莉都花を祝う返信が届いたのだ。迷惑でなければ式にも出たいと皆が言ってくれた。

 大輝に至っては、電話をしてまで莉都花の結婚を祝福してくれた。『よかった。本当によかった。おめでとう』と涙声で祝ってくれた。本当に心配をかけていたのだなと、その声を聞いて強く実感した。

 そして、心配してくれていたのは大輝だけではなかった。美遥も大層心配してくれていたらしい。

 大輝から電話を取り上げたのか、話している途中の大輝の声が途絶え、最初から泣き声の美遥の声が電話口から聞こえてきた。『おめでとうございます。幸せになってください。誰よりも幸せになってください』と彼女は泣きながら祝福してくれた。

 夫婦揃って泣いている声が電話越しに聞こえてくるものだから、莉都花はくすりと笑い、少しだけ目元を濡らしながら、『ありがとう』と口にしていた。
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