プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
 大輝に罪はない。ただ他に好きな人ができてしまっただけ。

 莉都花を蔑ろにして、美遥と浮気したわけではない。むしろそれまで以上に莉都花のことを大事にしてくれていた。

 でも、莉都花はそれがかえってつらかった。美遥への気持ちを無理に閉じ込めようとしている大輝を見ていると、莉都花のほうがつらかったのだ。

 何も知らない振りをして、大輝と付き合い続ける道もあっただろう。

 でも、大輝に嘘をつかせて、彼と一緒にいても莉都花は幸せになれない。大輝の胸の内を思って、莉都花が苦しくなる。だから、別れるしかなかったのだ。

 大輝と別れてからはもう五年。昨年の誕生日で莉都花は二十八歳になった。

 結婚する友人も増えてきて、大輝が美遥とそうなる日が近いこともなんとなくわかっていた。

 莉都花だって、ずっと大輝のことを引きずっていたわけではない。大輝のあとに付き合った人もいる。

 だから、大輝と美遥の結婚を心から祝福していることに偽りはないし、二人がゴールしてくれたことを莉都花は嬉しく思っている。

 ただ、この場にいることがつらいのも事実で、それは決して大輝との過去だけが原因ではないけれど、まったく関係ないとも言いきれないから、大輝からは極力距離を取っていたのだ。

 今まさにそうなっているように、上手く笑えなくなるような気がして。
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