プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
 莉都花のその笑いで説教モードが終わったと思ったのか、明日実はもう顔を上げて、話しかけてくる。

「ねえ、ママ。なんでママはさ、パパなんかと結婚したの?」
「おいっ! パパなんかとはなんだ、なんかとは」

 全然反省していなさそうな明日実の発言に、これはダメだと頭を抱える。

 柊仁は莉都花を挟んで、明日実に物申しているが、明日実はそれを無視して続ける。

「だってさ、ママってきれいで、仕事もできて、おまけに優しいでしょ? 絶対モテるよね。ママならパパよりもっといい人見つけられそうなのに」

 娘にストレートに褒められてちょっといい気分になる。仕事ができると言ったのは、莉都花がグリーンコーディネーターとして独立し、今は個人経営者として働いているからだろう。仕事を続けることで寂しい思いをさせているかもしれないと思っていたから、莉都花の仕事を認めてもらえるのは嬉しい。

 莉都花が嬉しさから顔をほころばせる一方、柊仁は渋い顔をしている。

「いや、パパだってかっこいいだろ」
「うーん、顔だけはね。パパっていつもママにベタベタくっついてて、なんか男らしくないんだもん。中身がかっこよくない」

 莉都花は柊仁を最高にかっこいいと思っているが、家の中の柊仁しかしらない明日実からすると、その感想になるのはしかたないのかもしれないとも思う。

 明日実の言う通り、柊仁はいつも莉都花にベッタリで、甘えたようなことばかり言うから、頼りなく見えるのだろう。

 でも、それは莉都花へ惜しみない愛を示しているだけであって、本当は誰よりもかっこよくて、頼りになる人だ。

「パパは十分かっこいいよ」

 その台詞に一番に反応したのは、明日実ではなくて柊仁だった。「莉都花!」と抱きついてこようとするものだから、それを片手でパシッと止める。

 そして、明日実に真実を語った。
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