君の瞳に僕の色は映らない
いやでも、彼女は緑色は見えない。



「後天性って、治るんだっけ」


先天性の色覚異常は治らないと本で見たけど、後天性のことを治らないと記載している部分はなかったから、後天性なら治る───


「緑内障は治らないんだって。何もしなかったらどんどん進行していくっぽい」



緑内障は治らない。



その言葉が、頭の中でやけに響いた。



自分のことでも、家族のことでも、親しい友人のものでもないのに。




「点眼薬もレーザー治療もやったのにあんまり効果なかったんだって。だから手術するの。しかもこの緑内障って病気、私くらいの年齢の人には少ないらしいんだ」


彼女が淡々と話す。






話を聞いていると、なぜか知花を思い出した。



彼女のことが大好きになっていた知花。



最近は、いつも口を開けば、「仁奈おねいちゃん」。




「知花に君のこと、話してもいい?」


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