君の瞳に僕の色は映らない
#Day 2
あの時の女子高生はなんだったんだろう。


同じ学校のはずなのに、校内どこを探しても見当たらない。


名前もわからないから、誰かに聞くこともできない。

聞く相手なんていないけど。



髪の長い、もう一人の女子高生は、職員室付近で友人といるのを見かけた。

平山(ひらやま)」と呼ばれていたから、たぶん苗字はそんな感じなんだろう。


でも見かけただけで、相手は僕に気づいていないし、話しかける勇気もなかったので、同じ学校だったことを実感しただけで終わった。



内村はあの後、結構機嫌が悪くなって大変だった。

翌日にはケロッと学校に来てたけど。



僕の家は、最寄り駅から徒歩五分。

駅を出て、家までの道のりを歩いた。









「ただいま」


家に着いて玄関を開けると、階段を走って降りてくる音が聞こえた。



「おにーちゃんっ!」


僕の、年の離れた妹だ。


知花(ちか)という、まだまだ幼い小学一年生。



今日は母親が家にいるから、まっすぐ家に帰ってきたようだった。


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