ご先祖様の力を借りて。
『すごいわね……そんなことを考えるなんて。雷を纏わせるんじゃなくて、巡らせてみたらどう?』


なるほど、巡らせる……

早速試してみる。

纏わせるんじゃなくて、巡らせる……できた。

あとはこれで動きが速くなったか試して……

一歩踏み出してみると、思った以上のスピードが出た。

思わず立ち止まって、目を見開く。

ご先祖様たちも驚いている様子だ。


『早い……なんで私はこれをやらなかったのかしら』

『私の術を使うよりも早いわ〜……なんだか悔し〜い』

『早い』

『すごい!』

『さすがですね、こんなに速く新しい使い方を作るなんて……』


……そんなに一気に褒められると、照れてしまう。

私は恥ずかしくなって、下を向く。

それでも使い慣れるために、雷は体を巡らせたままだ。

ご先祖様たちはそんな私を無視して、自分の術の新しい使い方を考え始める。

私がちらりと前を見ると、五人全員がそれぞれ考え込んでいた。

私は顔を上げて、もう一度走ってみる。
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