ご先祖様の力を借りて。
今日の授業は術についてだ。

術使いのためにつくられた学園だからか、こんな授業がある。

この後には術の実技もやるし、戦闘訓練もするから、クラスの人たちも気合が入っている。


「じゃ、授業始めていくぞー」

「「「はーい」」」


先生の合図で、授業が始まった。

今日は術の限界について。

術には限界があって、その限界を超えて術を使うと、術が使えなくなったりなどの反動がある。

しばらくすれば元に戻るみたいだけど、その術が使えない間は大人しくしてないと術が弱くなってしまう。

……私が術を使えなくなるってことはご先祖様たちと話せなくなるってことだから、気をつけないと。

今までずっと一緒にいてくれたご先祖様たちと話せなくなるのは、とても悲しいことだから。


「んー、今日はここまでにしとくか……あ、最後に言うことあったわ」


そう言って先生は、真剣そうな表情をして、こっちをみる。

そんな先生の様子に、クラスの人たちも緊張したように背筋を伸ばす。


「この術の限界だが、たまに限界を超えて成長することがあるやつがいる。自分も限界超えれるかもって、絶対に試すなよ。超えれるやつが超特別なだけで、超えられないのが当たり前だからな」

「「「はーい」」」
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