ご先祖様の力を借りて。
クラスの人たち全員がきちんと返事をしたのを聞いて、先生は満足そうにうなずいた。

私も少し気になるけど、超特別ということなので気にしないでおく。

チラリと隣の海晴を見てみると、しっかり真剣そうな表情をして話を聞いていた。


「じゃー次は実技だから、着替えて特別体育館に集まっておけよー」

「「「はーい」」」

「待ってるからなー」


先生はそう言って、教室を出ていった。

……次は実技だから、急がないと。

必要な荷物を持って、更衣室に急いで向かう。

荷物は水筒、着替え、タオル、ノート、筆箱など、いろいろあるので、意外と重い。

更衣室には友達と一緒に来ている人たちばかりだったけど、気にしないようにしながら着替えていく。

一ヶ月でだいぶ友達がいないことになれたので、寂しいとは思うけど悲しくはならない。

着替えを急いで終わらせて、特別体育館に急いで向かう。

特別体育館は少し離れた場所にある。

普通の人に術を使っているところを見られたらいけないし、周りが怪我をするといけないから。

特別体育館に入ると、まだ中に人は五人ほどしかいなかった。

……ちょっと来るのが、早かったかも。

私は体育館の端っこの方に座って、先生を待つことにした。
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