ご先祖様の力を借りて。
さっき注目されていたからか、とても落ち着く。

他のご先祖様たちもおかえり、と言ってくれて、出迎えてくれた。

お母さんも心配しなくなっているし、ちょうどいい時間に帰ってきたみたいだ。

ほっとしながら、ソファに座る。

そのまま伸びをしていると、お母さんが隣に座った。

お母さんは髪を解かしながら、頭を撫でてくれる。

気持ちよくて、軽く目を細める。


『今日も疲れたでしょう〜? のんびりしましょ〜』

「そうですね……」


お母さんに言われて、今日のことを思い返す。

……そういえば、あのもやもやはなんだったのか。

海晴が誰かを助けるところを想像すると、少しもやりとする。

助けることはいいことなのに……また怪我をしないか、心配なのか?

そう考えていると、雷華様が目の前にクッキーを置いてくれた。


『これでも食べて、ゆっくりしましょ』

「はい、ありがとうございます」


雷華様にお礼を言って、クッキーを食べる。

美味しくて、さっきの疑問も消えてしまった。

そのままゆっくりしていると、鞄が目に留まり、思い出す。

そういえば、宿題をしていなかった。

急いで鞄に近づき、宿題を取り出す。
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