ご先祖様の力を借りて。
海晴がそう答えると、直斗さんはまたため息をついた。

……話が長くなりそうだ。

時計を見てみると、七時半だ。

流石に一時間も経っていれば、お母さんも落ち着いているはずだよね。

そう考えて、海晴に話しかける。


「私、部屋に戻っておく」

「そうか。またな」

「帰るのかい? 怪我に気をつけてね」

「うん、また」


二人に見送られて、医務室をでる。

そのまま来た道を戻り、自分の部屋に向かう。

ちょうど食べ終わった人が多くて、たくさんの人とすれ違う。

私をみると驚いたような表情をして、近くの人と話し出す。

でも、声が小さいから何を言っているのかはわからなかった。

しばらく歩き、部屋の前に着く。

扉を開けると、お母さんが出迎えてくれた。


『おかえりなさ〜い!』

「ただいま」
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