今日は我慢しない。

「ねぇ、三条」


 佐柳は私の前にしゃがんで、感情の読めない表情でまっすぐに私を見る。


「これでなにしてたの?」

「っ……」


 恥ずかしすぎて、どうしていいかわからずに涙目になる。

 もういや、逃げたい……っ!


「っ、ごめん……っ」


 耐えかねて顔を両手で隠すと、



「……かっわ……」



 そんなぼやきが聞こえた。



「え……?」



 次の瞬間、シュルリと何かが両手首に巻き付いた。



「ごめん。だめだもう」



 謝られた理由が分からなくて手を離して見ると、両手首に巻き付いていたのは佐柳のネクタイだった。

 何が起きたのかわからず呆然としていると、佐柳は私をお姫様抱っこで持ち上げる。


「へ!?」

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