今日は我慢しない。
「三条」


 佐柳の熱っぽい視線が私の目をまっすぐにとらえた。

 同時にむせ返るほどのαのフェロモンに包まれる。


「!」



 もう佐柳から目をそらすことは許されない。

 つつ……と佐柳の指が腰を這った。



「んっ」



 ビクンッ!と私の体が反応すると、佐柳がフ、と口角を上げる。



「さ、佐柳、待って……っ」



 やばい、やばい、これ



「いい子いい子。大丈夫だよ。このままもっと俺のこと感じて」



 頭の中にまで佐柳の声が入ってくる。

 自分が自分じゃなくなりそう。


 私の全部が、侵されちゃう――





「発情、して?」





 耳元で囁かれて、ドクン!と心臓が跳ねて体中に熱が駆け巡った。


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