今日は我慢しない。
「え……?」


 そこへ佐柳の気の抜けた声が落ちる。


「俺に、発情って……え?」


 佐柳の困惑しきった声に心折れそうになるけど、私は開き直って全部吐くことにした。


「病院で言われたの……」


 発情期ではないこと。

 抑制剤はちゃんと効いているはずということ。

 ただし、強いα(かっこいい、は省いた)がいると発情してしまうことがある、ということ。


「……俺にしかしないってこと……?」


 核心を突かれて、私はグッと息をのむ。

 そう。

 この学園にはαがたくさんいるけれど、私の例のスイッチが入るのは、佐柳がいるときだけ。

 佐柳にしか、発情しない。

 私は恥ずかしさをこらえて、コクリと頷いた。




「……」

< 57 / 183 >

この作品をシェア

pagetop