目が覚めると真夜中で、
分かれ道の前にいた。




「え……ここ、どこ……?」




私は裸足で、白いワンピースを着ている。

周りには誰もいなくて、
とても静か。

私はただ、
分かれ道の前で、ただ呆然と突っ立っていた。


夢……なのかな。でも、なんだろう。

夢にしてはハッキリしているというか。


どっちの道に進めばいいんだろう。

どっちも同じように見えるけど、
行く先には何があるんだろう。



でもなんとなく───左に行きたい。


進んだら、戻って来れなくなったり……。





「あれ。迷子がいる」





不思議な声に思わず振り返ると、
そこには綺麗な桜色の髪の男がいた。

肌は白くて、細くて、身長は高くて、
柔らかい雰囲気の、なんだか儚げな人。




「あ、あの……貴方、は……」

「はじめまして。俺は案内人」

「……案内人?」




私が少し警戒していると、
彼はふわっと微笑んだ。






「おいで。君の行くべき所に、
俺が連れて行ってあげる」






彼が私に手を差し伸べてきたので、
私は思わずその手をとってしまった。










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