私が案内人さんの墓参りに行きたいって
土下座してお願いしたら、
案内人さんのお兄さんが
一緒に墓参りに連れて行ってくれる事になった。

貴方のお兄さんは、
やっぱりどこか貴方に似ていた。

青空の下を、お兄さんと一緒に歩く。




「海美ちゃん、だっけ」

「あ、はい」

「ずっと言おうとしてたんだけどさ、
アイツが死んだこと、あんま気に負わないでね」

「……」

「アイツが海美ちゃんを助けたいと思ったから、
勝手に行動したんだ。
可哀想とも全く思ってないし。
むしろ尊敬っていうか、誇らしいっていうか」




お兄さんは、案内人さんとは
また違った優しさがあって、包容力がある。

私のせいなのに、
気を使ってそんな事を言わせてしまって、
ほんと私は情けない。


でも、お兄さんの言葉の全部が
嘘というわけではないと、私にはわかった。




「本当に、優しくて、かっこいい人です。
自分を犠牲にしてまで、
赤の他人を守るなんて……普通はできない」

「前も困ってた人助けて
学校遅刻して行ったからな。
根っからのお人好しで」

「ふふっ、想像できます」

「でしょ?
でもね、昔からそうだったわけじゃないんだ」





お兄さんは、優しく笑った。

……にてる。よく似てる。
その、優しい顔。温かい笑顔。
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