人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「すみません、帰宅後は走り込みをしたり、自主トレーニングをするのが日課なもので」

 どうやら、あまりにもまじまじと部屋の中を見てしまっていたらしい。私も「すみません」と謝ると、勇朔さんはふふっと笑った。

「今のお仕事だと、トレーニングの時間がないっておっしゃってましたもんね」

「ええ。ですが、これは大学生の頃から染み付いた日課みたいなところもあるので」

「トレーニングが、ですか?」

 驚いて返すと、勇朔さんは「ええ」と微笑む。

「あの頃は、物理的な力さえあれば、人を救えると思っていましたから」

 勇朔さんはそう言うと、「今、夕飯温めますね」と部屋を出る。
 勇朔さんの言葉は胸に引っかかったけれど、私はすぐにはっとして「手伝います」と慌てて彼を追いかけた。
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