キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
そんな風に言われたら、断れないよ――。
「……うん、わかった」
「ありがとう」
結川くんはホッとしたように柔らかく微笑む。
「絶対見つけるね」
「う、うん」
マスカレードは二回のダンス時間があり、その前にパートナーを探すことができる。
仮面を付けているから相手が誰なのかわからない。
そんな中でも見つけられるのかな。
本音を言えばあやくんと一緒に踊りたい、けど……ダンス時間は二回あるし、そのどちらかで踊れたらいいかな。
……あやくんが踊ってくれるのかわからないけど。
「てゆーかあやくん、あんなに目立つピンクの髪だから顔隠してもわかるよね? 色んな子から誘われちゃうかも」
望みなんて薄いけど、私も頑張ってみよう。
自分から動き出さなきゃ何も変わらない。
結川くんはきっと勇気を出して踏み込んでくれたんだ。
私は結川くんのために何ができるのかわからないけど、せめて誠意を持って向き合いたい。
「……そして、ちゃんと自分の気持ちを伝えるんだ」
あやくんにも、結川くんにも。