キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 あやくん、どこかな……? とキョロキョロしていると。


「玖央くんどこかしら??」


 早速そんな声が後ろから聞こえてドキリ。


「せっかくのマスカレードだもの、玖央くんと踊りたい!」
「いつもはお近づきになれないけど、今夜はチャンスだわ!」
「綺世様、どこ~??」


 女の子たちがみんなあやくんのこと探してる。
 それはそうだよね……やっぱりあやくんモテるんだなぁ。

 胸がチクンと痛むけど、弱気になってちゃダメだ。
 私だって、あやくんと一緒に踊りたいんだもん……!


「それにしてもみんな、ドレス綺麗だなぁ」


 髪型もメイクもめいっぱいオシャレして、みんなすごくかわいい。
 ドレスは毎年オーダーメイドだっていう子もいるらしい。流石だよね。


「いや、私のドレスだってかわいい! ……あやくんが選んでくれたんだから」


 たとえ宣伝のためだとしても、あやくんが私のために選んでプレゼントしてくれたことが嬉しい。
 そうだ、宣伝しなきゃいけないんだし、もう少し会場内を歩いた方がいいのかな?

 私は人混みをかき分け、あやくんを探しながら会場内を練り歩く。
 ピンクの髪ならすぐに見つけられると思ったのに、どこにもいない。

 まさかあやくん、サボり……?
 でもマスカレードって基本は全員参加だし、上流階級の社交の場を学ぶ目的もあるから特にA組は絶対参加なんだけどな。
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