『Special Edition③』
隆の奥さんである新婦さんはスラリとした長身で、クールな目元と優しい笑みが印象的。
千奈が思い描いていた『小さくて可愛い系』ではなく、見た目は『知的美人系』の人だった。
隆が170センチちょっとしかないから、ヒールを履いた奥様の方が少し高く見える。
それを気にしてか、髪を夜会巻き風に纏め上げ、カサブランカの花が下目にあしらわれ、ベールがその下に挿してある。
ベールをふわりと上につけないという、奥様なりの隆への優しさなのだろうなぁ。
「おめでとうございます」
「ご結婚、おめでとうございます」
「おっ、えっ?!それで5カ月??」
「双子だからね~」
「双子?」
「あ、言ってなかったっけ。双子だから5カ月でもこの大きさなのよ」
千奈のお腹を見て、驚く隆。
茜は隣りにいる新婦さんの顔色を窺ってしまった。
「恵奈、ニ人がいつも話してる親友の千奈と茜」
「あぁ!いつも隆ちゃんから話は伺ってます。佑人さんも一緒でいつもいっしょで仲良かったって」
「そうなんですよ。まぁ、今はうちら人妻なので、こういう機会がなければ中々会えないですけど。なので、ご心配には及びませんからね?」
「アハッ、大丈夫ですよ~。お気遣いありがとうございます」
にこっと微笑んだ新婦さんは、少し年上なのかな?
表情からも態度からも余裕が窺える。
落ち着いた雰囲気に上品さが滲み出ている。
「ごめんっ、遅くなった。ご結婚おめでとうございますっ!」
「おっ、佑人、来てくれてありがとな」
「恵奈さん、お久しぶりです」
「今日は来て下さってありがとうございます。ゆっくりしていって下さいね」