『Special Edition③』
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「もうたべれな~いっ」
「ママも、もう無理~~」
「二人とも、食べすぎなんだよ」

 一日スペイン村を満喫して、伊勢神宮を参拝し、赤福を買って宿へと戻った。
 完全部屋食だから、宿に到着したと同時に部屋に夕食が運び込まれ、お風呂を後回しにして豪華な夕食に舌鼓を打った。

 そして、前日同様に家族三人で部屋に付いている露天風呂に浸かり、風呂上がりの一服に赤福を平らげたのだ。

 峻はビールで喉を潤しながら、黙々と食べる二人を眺めていた。
 甘い物は苦手なのだ。

「これって、日持ちしないよね?」
「3日くらいじゃなかったか?」
「じゃあ、沢山は買って帰れないか」
「仲居さんが、冷凍できるって言ってたよ」
「ホントっ?!」
「あぁ、俺じゃなくて、他の客にだけど」

 酒のつまみを売店に買いに行った際に、他の客が質問しているのをちゃっかり聞いていたのだ。
冷凍保存なら、2週間から1カ月ほど持つらしい。

 宿泊施設の売店でも赤福は販売されていて、帰る際に買って帰ろうかな?と考えていたのだ。

「ママ、ぼくもゆめみれる?」
「どうだろう?いい子にしてたら、スカイレンジャーに夢の中で会えるかもよ?」
「ホント?!」
「おいおい、そんなこと言って大丈夫か?」
「いい子にしてないと、会えないわよ~?」
「なにすると、いい子になるの?」
「いい子は、しっかり歯磨きして、早くに寝るかなぁ~」
「ぼく、はみがきしてねる!!」
「お腹いっぱいで寝れるの?」
「うぅっ……、パパ、なりきりレンジャーしようっ!」
「えぇ~っ、パパ、ビール飲んじゃったよ」
「少しくらい息子に協力してあげてよ」
「……ったく」

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