『Special Edition③』
忍を妊娠している時にプラス12キロになって、結構戻すのが大変だった。
初産というのもあって、峻も母親も甘やかしてくれたお陰で、半年経っても殆ど体重は変わらなかったくらいだ。
さすがにこれはヤバいと思って、7カ月を過ぎた辺りから軽い運動をするようになって、何とか妊娠前の体重まで戻したけれど。
あの過酷さはもう味わいたくないなぁ。
――――ん?
あれ??
そう言えば、もう来ていい頃じゃない?
「和田さん、今日って27日だよね?」
「はい、そですけど」
残業用にカップラーメンをカゴに入れる香苗。
急に立ち止まったつぐみを不思議に思い、小首を傾げた。
1月中旬の温泉旅行の直前に生理が終わっていたから、もう1カ月半以上無いことになる。
「先輩?」
「……あ、ごめん。ちょっと考え事してた」
「大丈夫ですか?」
「和田さん、ごめん。ちょっと用事思い出したから、10分くらい抜けるね。これで皆んなのを適当に選んで買っておいて」
「えっ……ちょっと、先輩」
「ホント、ごめんねっ」
つぐみは香苗に1万円札を手に握らせて、コンビニを飛び出した。
会社から100メートルほど離れている場所にあるドラッグストアへと。
手乗りサイズほどの箱に入っているアレを購入し、すぐさま会社へと舞い戻る。
数年ぶりに使用するそれは、つぐみにはあまり馴染みがないもの。
この5年、夫はずっと避妊してくれていたから。
会社の1階にあるトイレに駆け込み、すぐさま試す。
胸の中が焦りと不安でいっぱいになる。