『Special Edition③』
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「疲れてないか?」
「大丈夫よ」
「本当に?気を遣わなくていいからな?」
「ホントに大丈夫だって。つわりだってまだないんだし、貧血でもないんだから」
「……食べづわりってのもあるだろ」
「え?」
「忍の時は、肉も魚も大半の野菜や果物もダメで、唯一トマトだけは食べれたけど、ネットで調べたら、食欲が増すつわりもあるって」
「……」
「最近、甘いものを結構欲しがるだろ」
「……そう言われてみれば」

 前から甘いものは好きだったけれど、量はそれほど食べれなかった。
 だけどここ最近、急に甘いものが欲しくなるのよね。

「甘いものばっかり食べたら、妊娠糖尿病にもなりかねないし、体重も増えちゃうから気をつけないとね」
「あと、虫歯な」
「あぁ~それもあるね」

 妊娠すると虫歯リスクが高まるらしいから、それも注意せねば。

 忍を出産した産婦人科で診て貰ったら、妊娠8週だと判明した。
 予定日は10月11日。
 まだ性別は分からないけれど、予知夢?的なあの夢のこともあってか。
何だか、女の子の気がする。

「湯張りしたから、先にお風呂入っておいで」
「いいの?峻、先に入って来ていいよ?」
「じゃあ、一緒に入るか?忍いないし、久しぶりに夫婦水入らずで」
「っっ……」
「まんざらでもない顔してんじゃん」
「なっ……」

 彼と二人きりという状況を改めて実感したと同時に、彼の言葉にまんまと引っかかってしまった。
 もう私って、本当に馬鹿正直すぎる。

「夕飯食べて来たし、ゆっくり風呂に浸かるか、な?」

 こういう時、超絶イケメンの流し目、反則じゃない?
 ヤダだなんて、勿体なくて言えないじゃない!
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