🕊 平和への願い 🕊 【新編集版】 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』にリスペクトを込めて。
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会社から帰った倭生那はベッドに横になり、スマホでウクライナに関するニュースを見ていた。
戦況は一進一退のようで膠着状態が続いていた。
そんな中、気になるニュースがあった。
『支援疲れ』というタイトルだった。
西側諸国は武器の提供を続けているが、それでもウクライナ側は必要数の十分の一しか届いていないと不満を漏らしており、どこまで支援を続けなければならないのかという、うんざりしたような空気が漂い始めているのだという。
その上、ロシアに対する経済制裁が自国に跳ね返ってきてあらゆるものの価格を押し上げていることが政府批判を助長していた。
そのせいで、多少の妥協をしても戦争を終わらせた方がいいという意見が増えてきているようなのだ。
もちろんウクライナはその考えに反発している。
「妥協するなんてとんでもない」
「今までの犠牲を無にすることはできない」
「自国の領土はすべて取り返さなければならない」と声高に訴えているのだ。
それは当然のように思えた。
しかし、時の首脳たちによる勝手な幕引きが行われてきたヨーロッパの歴史を考えると、ロシアに宥和的な妥結を探る動きが大きくなる可能性は否定できなかった。
それに、ロシア国内の静けさが気になった。
反プーチン、反戦争の動きがまったく認められないのだ。
徹底したプロパガンダと取り締まりによって国民の不満が抑え込まれているのは理解しているが、それにしても静かすぎる。
常に強い指導者を求める国民性があるとしても、異常としか思えなかった。
誰も声を上げないのだろうか?
そう思いながらスクロールしていくと、気になる記事に行き当たった。
ロシア人が投稿したメッセージがロシア国内で静かな反響を呼んでいるのだという。
媒体はテレグラムで、言語はロシア語、投稿者は女性だという。
ハンドルネームは『オデッサのロシア人』だった。
それを見た瞬間、心臓が止まりそうになった。
どうしてかわからないが、ナターシャを感じたのだ。
それは直感でしかなかったが、外れているはずはないという思いに支配された。
すぐにアクセスしてメッセージを読んだ。
すべてを読み終わった時、直観は確信に変わった。
間違いなかった。
ナターシャの言葉そのものだった。
読み返す度に涙が出てきた。
気づいてあげられなかったことを悔いた。
プーチンと同じロシア人であることの辛い思いを慮ってあげられなかった自分を責めた。
ロシア人というだけで酷いことを言われていたのかもしれないし、意地悪をされていたのかもしれないと思うと、可哀そうで仕方なかった。
なんにも言わなかったからわからなかったが、心の中が張り裂けそうになっていたのかもしれないのだ。
何やってたんだ、
たまらなくなって己を詰ったが、今となってはどうしようもなかった。
悔やんでも時間を取り戻すことはできない。
会社から帰った倭生那はベッドに横になり、スマホでウクライナに関するニュースを見ていた。
戦況は一進一退のようで膠着状態が続いていた。
そんな中、気になるニュースがあった。
『支援疲れ』というタイトルだった。
西側諸国は武器の提供を続けているが、それでもウクライナ側は必要数の十分の一しか届いていないと不満を漏らしており、どこまで支援を続けなければならないのかという、うんざりしたような空気が漂い始めているのだという。
その上、ロシアに対する経済制裁が自国に跳ね返ってきてあらゆるものの価格を押し上げていることが政府批判を助長していた。
そのせいで、多少の妥協をしても戦争を終わらせた方がいいという意見が増えてきているようなのだ。
もちろんウクライナはその考えに反発している。
「妥協するなんてとんでもない」
「今までの犠牲を無にすることはできない」
「自国の領土はすべて取り返さなければならない」と声高に訴えているのだ。
それは当然のように思えた。
しかし、時の首脳たちによる勝手な幕引きが行われてきたヨーロッパの歴史を考えると、ロシアに宥和的な妥結を探る動きが大きくなる可能性は否定できなかった。
それに、ロシア国内の静けさが気になった。
反プーチン、反戦争の動きがまったく認められないのだ。
徹底したプロパガンダと取り締まりによって国民の不満が抑え込まれているのは理解しているが、それにしても静かすぎる。
常に強い指導者を求める国民性があるとしても、異常としか思えなかった。
誰も声を上げないのだろうか?
そう思いながらスクロールしていくと、気になる記事に行き当たった。
ロシア人が投稿したメッセージがロシア国内で静かな反響を呼んでいるのだという。
媒体はテレグラムで、言語はロシア語、投稿者は女性だという。
ハンドルネームは『オデッサのロシア人』だった。
それを見た瞬間、心臓が止まりそうになった。
どうしてかわからないが、ナターシャを感じたのだ。
それは直感でしかなかったが、外れているはずはないという思いに支配された。
すぐにアクセスしてメッセージを読んだ。
すべてを読み終わった時、直観は確信に変わった。
間違いなかった。
ナターシャの言葉そのものだった。
読み返す度に涙が出てきた。
気づいてあげられなかったことを悔いた。
プーチンと同じロシア人であることの辛い思いを慮ってあげられなかった自分を責めた。
ロシア人というだけで酷いことを言われていたのかもしれないし、意地悪をされていたのかもしれないと思うと、可哀そうで仕方なかった。
なんにも言わなかったからわからなかったが、心の中が張り裂けそうになっていたのかもしれないのだ。
何やってたんだ、
たまらなくなって己を詰ったが、今となってはどうしようもなかった。
悔やんでも時間を取り戻すことはできない。