🕊 平和への願い 🕊 【新編集版】  『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』にリスペクトを込めて。
        15

 その後、次の大きな一手を打ったのは9月に入ってからだった。
 部分動員令を発動したのだ。
 予備役30万人を段階的に徴集して前線に送り込むためだった。
 しかし、国内の反発は予想以上に大きく、大規模なデモが発生した。
 更に、地方自治体の失態もあって国民の懐疑心は増大した。
 そのせいで海外へ脱出する者が一気に増えて収拾がつかなくなった。
 その結果、国民の気持ちはお前から離れていった。

 そこで次の一手を打った。
 東南部4州の併合だ。
 分捕った4州をロシア領にすることで戦果を強調したのだ。
 しかし、クリミア併合の時のような高揚感は国民の間に広がらなかった。
 予備役徴集の動揺が打ち消したのだ。

 そんな中、お前が心血を注いで建設したクリミア大橋が破壊された。
 これには衝撃を受けた。
 あり得ないことだからだ。
 激高したお前はすぐさま仕返しを命じた。
 ウクライナ全土を破壊しろと命じたのだ。

 これを受けてセルゲイ・スロビキン総司令官はミサイルやドローンを使って電力などのインフラ施設を徹底的に破壊した。
 それは厳冬に向けてウクライナ国民を震え上がらせるためだった。
 それでも、彼らの士気は下がらなかった。
 徹底抗戦の意を更に強める結果となったのだ。

< 98 / 102 >

この作品をシェア

pagetop