心が解けていく





「スーパーアイドルが、そんな弱気で良いんですか!?ファンの子たちは、律くんを待ってますよ?」





顔がどんどん下に向いていくのを、両手で頬を包んで無理やり制止した。

グッと上に向けると、目を大きく見開いて私を見ている。





「落ちるところまで落ちたら、キリをつけて這い上がってこないと。開き直って堂々とするぐらいじゃないと、女優さんの思うままです」





何も言わずに私の目を見ていたけど、しばらくして〝そうかも…。そうだよな〟と独り言を話し始め、どうやら納得したようだ。




「うん。ありがとう」




律くんの頭の中で話が進んだのか、私との会話が噛み合わない状態で感謝され、律くんの両頬を包んだままでいると、律くんは私の腰に手を回して、自分の方へグイッと引き寄せた。




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