心が解けていく





律くんの弱気でか細い声が、さらに萎んでいった。


一連の出来事を話し終わって、大将が持ってきてくれたお茶を一口飲むと、ようやく正座を崩して胡座をかく律くん。






「あの写真を撮られたのは迂闊だったけど、暴行の記事は写真だけじゃ確定できるはずがないと思うんだ。多分、あの女優が売ったんじゃないかな」


「売ったっていうのは…」


「情報を記者に流して、お金もらったってこと」





情報を売ったと世間にバレることはないだろうけど、私の中であの女優さんの株はさらに下がった。


芸能界の闇が深いことは理解していたけど、ここまでとは思わなかったな。






「それに、俺の役はもう代理が居るって話だし、解決したとしても、あの現場には戻りづらいし。こんなことになるなら、ドラマはしばらくいいかな…。」





律くんもその闇に飲み込まれて、消えてしまいそう。


このままどうにでもなってしまえみたいな、投げやりになっているようにも見える。


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