少女と過保護ーズ!!続
『はい。決めたんです。快くあたしを引き取ってくれた海斗さんと凛さんの役に立つって。それに』


真っ直ぐ、真っ直ぐ俺を見るアレ。

この世界で汚く濁った目を嫌って程見てきた。

その中で久々に見た、澄んだ瞳。


『それに?』

『"黒豹"の皆が居てくれるから』


"黒豹"の皆が家族であり、友達だから、平気。

そう言って、嬉しそうに笑うアレ。


コイツ・・・・。


バカだと思ったが、なかなかの根性と肝が据わってやが・・・


『雪代‼』


バァァァーーーーン‼

ノックもなしに事務所のドアが開いた。


そっちを3人で見れば、昨日別れた女が居た。


何しに来た。

眉間に皺が寄る。


『一方的に別れるとか酷いじゃないっ‼昨日は引き下がったけど、やっぱり納得いかないわ‼私は別れない‼』

『あ"?テメェの意思なんざ関係ねぇ。帰れ』


ただの体だけの女。

煙草をくわえ火をつけ、女を睨む。

ゴクッと唾を飲む音が聞こえてきて、数歩下がる女。

そんな緊迫してきた中、嫌でも視界に入るアレ。


自分には関係ないと思ったのか、またカリカリと前歯でクッキーをかじり始めた。


『私達、体の相性も最高だったじゃない‼』


"も"って何だ。

他に何があんだ。

お前となんざ、何もねぇよ。

最高??

そう思ってんのはテメェだけだ。


そして、シゲ。

何アレの耳を必死で塞いでるんだ。

突然のことにアレがクッキーくわえたまま目を白黒させてんぞ。


『帰れ。昨日も言ったが二度とテメェには会わねぇ』


俺が何も知らないとでも思ったか?

俺の女だと言って、工藤組のシマでやりたい放題我が儘し放題。


そう言えば黙り込む女。


『雪代・・・』

『殺されてぇか?馴れ馴れしく俺の名を呼ぶな』

『・・・ぐっ‼皆の言った通りね‼』

『あ?』

『工藤雪代は感情を持たない。血も涙もない冷血冷酷人間』


俺を見て嘲笑う女。

冷血冷酷人間?

その通り・・・


『カッ‼』

『『カッ??』』


突然アレが叫び、耳を塞いでるシゲの手をツネッて離す。


『イタタ・・・地味に痛い』


完璧にシゲの手が離れたところでアレが立ち上がる。


なんだ??

今までに見たことない厳しい表情。


『何よ?あんた、誰!?』


女が突然出てきたアレを睨むが、アレは俺に向かってきた。

そして俺の前に立つと、手を差し出してくる。


なんだ??


『ん‼』
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