騙すなら墓場まで
「それで、その……土門さんがね、あなたに会って話したいことがあるって」
「土門さんが……」
すぐには何も言えなかった。受話器を指で撫でたり、視線を部屋のあちこちに向けてみたり。意味のないことをしながら「そうなの」とか「えっと」とか声に出していた。
「坂ざ……違う。得留さん、そのね、土門さんは無理にとは言わないからって」
「う、ん……」
「その、三日後に郊外のカフェで会ってほしい。伝えないといけないことがある……それだけ」
「ええと……内容については何も言わなかった? チラッとでも良いから」
上擦った声になってしまったけれど、萩野さんは気にした素ぶりもなく「何も言ってなかったし、聞いても答えてくれなかった」とだけ返した。
「そう……」
「私も電話やメールじゃだめなのかって聞いたんだけど
……とにかく会って話したいの一点張りで」
どうしよう。会うべきだろうか。