騙すなら墓場まで



 時間はかかったが、調べるにつれ“坂崎 耕平”という男が関わっているのだとわかった。

 次は坂崎について探ってみたが、子どもの俺でもこいつが碌でもない男なのは理解できた。

 詐欺や収賄、横領などなど、黒い噂が絶えない人物だが明確な証拠を残さない。残しても恫喝で何度も揉み消している。絵に描いたような悪党だった。


 ──もしかしたら両親は、この男の毒牙にかかったのではないか


 俺はそう予測した。確信と言っても過言ではないだろう。



 そして、その予測は笑えるくらい完璧に当たっていた。



 きっかけは父の遺品である本だった。いや、本のような日記帳だったと言うべきか。

 その日記帳には、父が坂崎にボランティア団体を作りたいから協力してくれと持ちかけられ、それが詐欺だったことが記されていた。

 読み進めると訴えようにも証拠が弱く、相談した弁護士にも大人しく金を工面したほうが傷は浅くすむと助言されたらしい。

 そして働きづめになった両親は。


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