神に選ばれなかった者達 後編
いやはや。未知の四階で、何が出てくるかと思いきや…。
「うわぁ…。…きもっ…」
「え、キモいの?」
「よく見てみ。…あんまりおすすめしないけどね」
ふぁにの無駄に良い視力のせいで、見えちゃったよ。
そのカプセルの「中身」が、何なのか。
「…!?何だ、これ…」
「…羽根が生えてるね」
その通り。
カプセルの中には、ちっちゃい子供がいた。
子供と言っても、その大きさは、生まれたての人間の赤ん坊よりも遥かに小さい。
体長は僅か30センチ足らず。
人間と言うより、小さな肉の塊という感じ…。
それでも、いっぱしに人間らしく、顔のパーツは揃っていた。
デメキンみたいに、ぎょろぎょろと飛び出した両目。
デカい目とは裏腹に、申し訳程度にぴょこっとくっついている両耳。
鼻もちっちゃくて、ゴマ粒みたいな大きさしかない。
それなのに口は大きかった。顔の下半分を、口だけで占められていると言っても良い。
そんな不気味な生き物が、カプセル内に満たされた黄色っぽい液体の中で。
何本もの黒い管に繋がれて、ふよふよと漂っていた。
何よりも不気味なのは、その背中。
背中には、この子供の身長よりも遥かに大きな…羽根が生えていた。
天使の羽根みたいな、ふわふわした羽根じゃねぇよ。
コウモリみたいな、黒くて骨張った、ゴツゴツとした羽根だ。
この羽根を見るだけで、こいつが少なくとも人間じゃあないってことが分かる。
「…地下で見た死体も、背中に羽根が生えてた」
萌音ちゃんが呟いた。
「二階で飼われてた子供もそうだ。背中に羽根が生えてたよ」
「でも…ここまで立派な羽根じゃなかったよ。背中の瘤…突起物みたいな感じで…」
と、空音兄妹。
…ふーん。成程。
じゃあ、この四階で後生大事に飼われている、この赤ん坊は。
夢の中大病院で働いている黒衣人間達が、求め、作ろうとしている完成形…。
…みたいな解釈で良いのだろうか?
…こいつが…?
このちっこい肉の塊が…。
一体何を作ろうとしてるんだか…。
「…この子、萌音、見たことある…」
えっ?
萌音ちゃんが、カプセルの「中身」を見ながら呟いた。
「萌音ちゃん…?」
「前も見た…。前に…別の場所で…」
別の場所で見たって、それどういう、
「…つまり、このカプセルにいる物体を倒さなければならない、ということだな?」
響也君が、萌音ちゃんに尋ねた。
「うん。これバケモノの仲間」
「そうか。…なら、息の根を止める必要があるな」
容赦無いねぇ。
…ま、その通りだな。
こいつの正体が何であるかなんて、そんなものふぁに達には関係ない。
ふぁに達生贄に課せられた使命は、ただ一つ。
…夢の世界にいるバケモノ達を、残らず殲滅することだけだ。
「うわぁ…。…きもっ…」
「え、キモいの?」
「よく見てみ。…あんまりおすすめしないけどね」
ふぁにの無駄に良い視力のせいで、見えちゃったよ。
そのカプセルの「中身」が、何なのか。
「…!?何だ、これ…」
「…羽根が生えてるね」
その通り。
カプセルの中には、ちっちゃい子供がいた。
子供と言っても、その大きさは、生まれたての人間の赤ん坊よりも遥かに小さい。
体長は僅か30センチ足らず。
人間と言うより、小さな肉の塊という感じ…。
それでも、いっぱしに人間らしく、顔のパーツは揃っていた。
デメキンみたいに、ぎょろぎょろと飛び出した両目。
デカい目とは裏腹に、申し訳程度にぴょこっとくっついている両耳。
鼻もちっちゃくて、ゴマ粒みたいな大きさしかない。
それなのに口は大きかった。顔の下半分を、口だけで占められていると言っても良い。
そんな不気味な生き物が、カプセル内に満たされた黄色っぽい液体の中で。
何本もの黒い管に繋がれて、ふよふよと漂っていた。
何よりも不気味なのは、その背中。
背中には、この子供の身長よりも遥かに大きな…羽根が生えていた。
天使の羽根みたいな、ふわふわした羽根じゃねぇよ。
コウモリみたいな、黒くて骨張った、ゴツゴツとした羽根だ。
この羽根を見るだけで、こいつが少なくとも人間じゃあないってことが分かる。
「…地下で見た死体も、背中に羽根が生えてた」
萌音ちゃんが呟いた。
「二階で飼われてた子供もそうだ。背中に羽根が生えてたよ」
「でも…ここまで立派な羽根じゃなかったよ。背中の瘤…突起物みたいな感じで…」
と、空音兄妹。
…ふーん。成程。
じゃあ、この四階で後生大事に飼われている、この赤ん坊は。
夢の中大病院で働いている黒衣人間達が、求め、作ろうとしている完成形…。
…みたいな解釈で良いのだろうか?
…こいつが…?
このちっこい肉の塊が…。
一体何を作ろうとしてるんだか…。
「…この子、萌音、見たことある…」
えっ?
萌音ちゃんが、カプセルの「中身」を見ながら呟いた。
「萌音ちゃん…?」
「前も見た…。前に…別の場所で…」
別の場所で見たって、それどういう、
「…つまり、このカプセルにいる物体を倒さなければならない、ということだな?」
響也君が、萌音ちゃんに尋ねた。
「うん。これバケモノの仲間」
「そうか。…なら、息の根を止める必要があるな」
容赦無いねぇ。
…ま、その通りだな。
こいつの正体が何であるかなんて、そんなものふぁに達には関係ない。
ふぁに達生贄に課せられた使命は、ただ一つ。
…夢の世界にいるバケモノ達を、残らず殲滅することだけだ。