お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
社長室を出ると、仁と葉子ちゃんが待っていてくれた。家に戻って話し合うことに決めたと報告し、感謝の意を伝える。

その後も葉子ちゃんと話す機会があった。彼女はどちらかといえば久美子さんや圭衣ちゃんのタイプで、とても気さくだ。


「これで元の鞘に収まりそうですね」

「葉子ちゃんにも、お世話になった。ありがとう」

「一つだけ……Maybe two、約束してください」


葉子ちゃんはチラッと離れた時とにいる美愛ちゃんを見る。

「話し合うときにはあの子を急かさず、忍耐強く待ってあげてください。でないと、諦めてしまいます」


そう言えばさっき、圭衣ちゃんが教えてくれた。美愛ちゃんの一番の理解者は、葉子ちゃんだと。


「それから、嘘をつかれるのが大嫌いですので、その点にも十分注意してくださいね」

「俺は自我を通して、美愛ちゃんに我慢させていたんだな。わかった、約束するよ」




会議室に戻ると、尋常ではない雰囲気が漂っていた。

みんなさっきと同じ席に着いているが--いよりくんの左の頬に手形がついて真っ赤になっている! 目も少し赤い。席を外していた間に、一体何が起こったのだろう。

皆に美愛ちゃんと一緒に家に戻ってもっと話し合うことに決めたと伝えた。圭衣ちゃんは泣きながら美愛ちゃんを抱きしめ、自分が紹介したからと謝罪していた。

立っている俺たちのところへ、紫道くんと、その後ろに隠れるようにしていよりくんがやって来た。

最初にいよりくんが美愛ちゃんに口を開いた。


「ごめんなさい。圭衣の妹だとは知らなかったの。知っていたら、あんなことは言わなかったわ」


いやいや、それはおかしいだろう。謝っていないよ、それは。やはりそう感じているのは俺だけではないようだ。
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