お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
第7章:姫と悪魔 #3
美愛サイド
なんだか全身が、ほんわか温かくて気持ちいい。
あれ?
さっきまでプードルの『Bon Bon』を抱いていたはずなのに、妙に固い。
ゆっくり寝ぼけまなこを開けると、目の前一面ネイビーブルー。
えっ、金縛り?
体が思うように動かないよ。
背中に何かある感じ。
ゆっくりと上を見上げるとーー雅さんの寝顔! 驚いて息を飲み、思わず小声で囁いてしまった。
「えっ、えーー、どういうこと? なんで雅さんのベッドで一緒にいるの? 覚えていない、覚えていない……」
パニックになった私の体が一瞬、こわばる。
今動いたら、雅さんを起こしちゃうよね?
どうしよう。
「でも、もう少しこのままでいたいな。お願い、もう少しだけ」
この心臓の音、静かにして。 雅さんに気づかれちゃう……はぁ、温かい。雅さんにこうやって抱きしめてもらえるのが好きだ。時が止まっちゃえばいいのに。
「ん~、美愛ちゃん。おはよう」
「お、おはようございます。雅さん、あの……」
あっ、雅さんが起きちゃった。
……ちょっと残念。
「よく眠れた? 俺は久しぶりにしっかり眠れたよ」
ど、どうして。さっきよりも強く抱きしめられているんだけれど。そんな耳元で言われたら、絶対今顔が赤いよ。とにかく、もう起きた方がいいよね。どうしたら雅さんの腕から抜け出せるの。
「み、雅さんのベッドを占拠してしまって、ごめんなさい。もう支度しないと」
「あ~、もう時間か? 仕方がないな」
自室に戻って深呼吸を繰り返し、急いで身支度を整えた。まだ雅さんの腕や胸板の感触が残っている。
キッチンでは、支度を終えた雅さんがコーヒーを淹れていた。
寝坊して朝食とお弁当の準備ができていないと伝えたが、必要ないとのこと。今日は彼の車で一緒に通勤し、帰宅することになった。
この時、夕飯は下の『スーパー伊乃国屋』で調達することと、今夜大切な話があると言われた。
「昨日のことはもちろん、美愛ちゃんに謝罪して伝えたいこともあるから」
「大切な話」と「伝えたいこと」--その言葉が頭から離れない。胃が締め付けられる。また、嫌なことかな。
マンションから会社までほんの数分の距離なのに、さっきの言葉のせいでとてつもなく長く感じた。
サクラスクエアに駐車した後、突然右手を優しくつかまれ、手の甲にキスされた。もう一度、一緒に帰ることを念押しされる。私はただうなずくだけで精一杯だった。
……どうして、急にこんなことを。
地下駐車場で雅さんと別れ、南側のエレベーターで仕事へ向かう。ふとケータイの着信音に気づき、画面を確認した。
父さまからだ……珍しいな、何だろう。
今朝は副社長も『伊集院総合法律事務所』へ直行しているようで、美奈子さんが仕事の指示を出してくれた。それでも今まで経験したことのないような単純なミスを連発してしまう。大事には至らなかったが、集中できない。
……こんな自分が情けないよ。
あれ?
さっきまでプードルの『Bon Bon』を抱いていたはずなのに、妙に固い。
ゆっくり寝ぼけまなこを開けると、目の前一面ネイビーブルー。
えっ、金縛り?
体が思うように動かないよ。
背中に何かある感じ。
ゆっくりと上を見上げるとーー雅さんの寝顔! 驚いて息を飲み、思わず小声で囁いてしまった。
「えっ、えーー、どういうこと? なんで雅さんのベッドで一緒にいるの? 覚えていない、覚えていない……」
パニックになった私の体が一瞬、こわばる。
今動いたら、雅さんを起こしちゃうよね?
どうしよう。
「でも、もう少しこのままでいたいな。お願い、もう少しだけ」
この心臓の音、静かにして。 雅さんに気づかれちゃう……はぁ、温かい。雅さんにこうやって抱きしめてもらえるのが好きだ。時が止まっちゃえばいいのに。
「ん~、美愛ちゃん。おはよう」
「お、おはようございます。雅さん、あの……」
あっ、雅さんが起きちゃった。
……ちょっと残念。
「よく眠れた? 俺は久しぶりにしっかり眠れたよ」
ど、どうして。さっきよりも強く抱きしめられているんだけれど。そんな耳元で言われたら、絶対今顔が赤いよ。とにかく、もう起きた方がいいよね。どうしたら雅さんの腕から抜け出せるの。
「み、雅さんのベッドを占拠してしまって、ごめんなさい。もう支度しないと」
「あ~、もう時間か? 仕方がないな」
自室に戻って深呼吸を繰り返し、急いで身支度を整えた。まだ雅さんの腕や胸板の感触が残っている。
キッチンでは、支度を終えた雅さんがコーヒーを淹れていた。
寝坊して朝食とお弁当の準備ができていないと伝えたが、必要ないとのこと。今日は彼の車で一緒に通勤し、帰宅することになった。
この時、夕飯は下の『スーパー伊乃国屋』で調達することと、今夜大切な話があると言われた。
「昨日のことはもちろん、美愛ちゃんに謝罪して伝えたいこともあるから」
「大切な話」と「伝えたいこと」--その言葉が頭から離れない。胃が締め付けられる。また、嫌なことかな。
マンションから会社までほんの数分の距離なのに、さっきの言葉のせいでとてつもなく長く感じた。
サクラスクエアに駐車した後、突然右手を優しくつかまれ、手の甲にキスされた。もう一度、一緒に帰ることを念押しされる。私はただうなずくだけで精一杯だった。
……どうして、急にこんなことを。
地下駐車場で雅さんと別れ、南側のエレベーターで仕事へ向かう。ふとケータイの着信音に気づき、画面を確認した。
父さまからだ……珍しいな、何だろう。
今朝は副社長も『伊集院総合法律事務所』へ直行しているようで、美奈子さんが仕事の指示を出してくれた。それでも今まで経験したことのないような単純なミスを連発してしまう。大事には至らなかったが、集中できない。
……こんな自分が情けないよ。