お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
「うちの女性たちは……まあ、君もわかっているよね? 特に久美子と圭衣は策士だから」

ジョセフさんは苦笑いをして、チラッと隣にいる圭衣ちゃんを見た。

「君はもうとっくに私だけでなく、我が家のみんなの許可を得ているよ。そうでなければ、結婚前の愛する娘を男と一緒に住まわせることはないからね」


……本当に、認めてもらえるのか?


「久美子は、初めて家に来た時から、君があの時の高校生だということをわかっていたようだ。こんな奇跡があるんだね。また二人が巡り合うなんて」

「雅さん、父さまは美愛ちゃんを手放すための時間が必要だったのよ。どうか許してあげてね」


昨日とは違い、柔らかい笑顔の圭衣ちゃんが、ジョセフさんのさらなる心境を加えた。


「あ〜、これでやっと美愛ちゃんの初恋が実を結ぶわね!」


圭衣ちゃんによると、美愛ちゃんはずっとあの日の約束を夢見ている。『いつかあのお兄ちゃんが来てくれる』と思って。


「お願いが一つあるの」


圭衣ちゃんは、ウエディングドレスのことを切り出す。


……もうそこまで話が進んでいるのか?


きっと俺の顔に、そう出ていたんだろう。彼女がクスッと笑いながら、説明してくれる。これは以前から美愛ちゃんと約束していて、制作に最低でも2ヶ月の期間が必要とのこと。


できるだけ早く、籍だけでも入れたいが……


「もし待てないのであれば、先に入籍しちゃえば?」


俺が思っていることを、さらっと言う圭衣ちゃんに、ジョセフさんが焦りを見せた。


「順番が違うだろう? それに、そんなに急ぐ必要は」


ここで圭衣ちゃんの爆弾発言が。


「先に妊娠したらどうするの? それこそ順番が違うでしょう、父さま?」


絶句して凍りついた表情で圭衣ちゃんを見つめるジョセフさんが、何だか気の毒に思えてしまう。


「私は美愛さんが嫌がることを、無理強いするつもりはありませんので」


俺の言葉にホッとした様子でジョセフさんがうなずいた。

これでーー彼女の家族から許可は得た。アメリカにいる、もう一人のお姉さんを除いて。

あとは、佐藤麻茉に決着をつけて、今夜、想いを伝えるだけだ。




佐藤親子が到着し、俺たちの前に座った。このミーティングが録音および録画されていることを踏まえ、涼介が呼ばれた理由を説明した。

やはり、佐藤麻茉は素直に非を認めようとしない。父親の佐藤敏夫も娘をかばっている。こちらに証拠が揃っていないと思っているのだろう、平然と嘘を並べてきた。
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