お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
挙句の果てに、佐藤敏夫が美愛ちゃんへの暴言を吐いた。
「今時の若い女性は、恥を知らないようですね。こんな写真まで撮られて」
椅子にふんぞり返り、顎でテーブルにある社内メールのコピーを指す。
「どこの馬の骨かもわからない一般人の娘よりも、うちの麻茉の方がずっと役に立ちますよ。何せ、私は三光銀行ミッドタウン支店の支店長ですからね。家柄も良いですし」
インカムで、圭介叔父さんとジョセフさんがこちらに向かっていると聞いた。
俺の中で、何かが切れた。口調が荒くなるのは、仕方がない。
「麻茉さんが我が社に在籍できているのは、コネ入社だからです」
ここで俺は、佐藤麻茉がいかに会社のお荷物で、役に立たないかをはっきり伝えた。そして、家柄で人を好きになったり結婚することもないと。
……西園寺を、舐めてるのか?
「ちなみに、その写真に写っている男性は私です。私たちは一緒に住んでいますから。花村さんには、公私ともに支えてもらっています」
美愛ちゃんと俺のこと、もう隠す必要もない。
一気にまくし立てた後、会議室のドアがノックされ、叔父さんたちが入室して俺たちの隣に腰掛けた。
「久しぶりですね、佐藤さん。こちらは先ほどあなたが誹謗中傷された娘さんの親御さんです」
叔父さんがジョセフさんを紹介した。
にっこりと笑顔を見せているが--これは怒っている。
「はじめまして。私は『Hope Medical Japan』の代表取締役で、どこの馬の骨かもわからない一般人の娘の父親、ジョセフ・ヴィッテルスバッハです」
……佐藤敏夫、詰んだな。
ジョセフさんは愛娘を溺愛していることで有名なのに。言葉には気をつけるべきなんだよ、あんたたち親子は。
しかし、ジョセフさんの静かな怒りには迫力がある。
不謹慎かもしれないが、この結末は、もう見えていた。
大和と目が合う。
あいつも同じことを考えているらしく、片方の口角をわずかに上げた。
「は、は、はじめまして。私、三光銀行ミッドタウン支店の支店長、佐藤敏夫です。も、申し訳ございません。先程のは、言葉のあやと言いましょうか……」
冷や汗を拭う仕草が、明らかに動揺を物語っていた。俺と大和は顔を見合わせた。何も言わずとも、同じ結論に至っている。
ジョセフさんは、微笑みを浮かべたまま口を開いた。だが、その目はまったく笑っていない。
「あなたの娘さんは、私の娘に関する虚偽の情報を社内メールで流しましたね。さらに、ストーキングまがいの行為までしている」
静かな声だった。だが、その場の空気が一瞬で張り詰める。
「今時の若い女性は、恥を知らないようですね。こんな写真まで撮られて」
椅子にふんぞり返り、顎でテーブルにある社内メールのコピーを指す。
「どこの馬の骨かもわからない一般人の娘よりも、うちの麻茉の方がずっと役に立ちますよ。何せ、私は三光銀行ミッドタウン支店の支店長ですからね。家柄も良いですし」
インカムで、圭介叔父さんとジョセフさんがこちらに向かっていると聞いた。
俺の中で、何かが切れた。口調が荒くなるのは、仕方がない。
「麻茉さんが我が社に在籍できているのは、コネ入社だからです」
ここで俺は、佐藤麻茉がいかに会社のお荷物で、役に立たないかをはっきり伝えた。そして、家柄で人を好きになったり結婚することもないと。
……西園寺を、舐めてるのか?
「ちなみに、その写真に写っている男性は私です。私たちは一緒に住んでいますから。花村さんには、公私ともに支えてもらっています」
美愛ちゃんと俺のこと、もう隠す必要もない。
一気にまくし立てた後、会議室のドアがノックされ、叔父さんたちが入室して俺たちの隣に腰掛けた。
「久しぶりですね、佐藤さん。こちらは先ほどあなたが誹謗中傷された娘さんの親御さんです」
叔父さんがジョセフさんを紹介した。
にっこりと笑顔を見せているが--これは怒っている。
「はじめまして。私は『Hope Medical Japan』の代表取締役で、どこの馬の骨かもわからない一般人の娘の父親、ジョセフ・ヴィッテルスバッハです」
……佐藤敏夫、詰んだな。
ジョセフさんは愛娘を溺愛していることで有名なのに。言葉には気をつけるべきなんだよ、あんたたち親子は。
しかし、ジョセフさんの静かな怒りには迫力がある。
不謹慎かもしれないが、この結末は、もう見えていた。
大和と目が合う。
あいつも同じことを考えているらしく、片方の口角をわずかに上げた。
「は、は、はじめまして。私、三光銀行ミッドタウン支店の支店長、佐藤敏夫です。も、申し訳ございません。先程のは、言葉のあやと言いましょうか……」
冷や汗を拭う仕草が、明らかに動揺を物語っていた。俺と大和は顔を見合わせた。何も言わずとも、同じ結論に至っている。
ジョセフさんは、微笑みを浮かべたまま口を開いた。だが、その目はまったく笑っていない。
「あなたの娘さんは、私の娘に関する虚偽の情報を社内メールで流しましたね。さらに、ストーキングまがいの行為までしている」
静かな声だった。だが、その場の空気が一瞬で張り詰める。