せっかくの婚約ですが、王太子様には想い人がいらっしゃるそうなので身を引きます。
「調査というなら、一度行われているでしょう」
「もっと詳しく調べるということだ。あの時はこちらもごたごたしていた。それは何よりあなたが、わかっているはずだ」

 イルドラ殿下の言葉に対して、サジェードは抵抗する意思を見せてきた。
 どうやら彼には、人には絶対に知られたくない秘密の類があるらしい。ここまで抵抗するということは、やはり犯罪の類に思えてしまう。

「言っておくが、そちらが何を言おうとも調査は実行する」
「なっ……!」

 イルドラ殿下が手を上げると、周囲の騎士達は一斉に動き出した。
 色々とあった訳ではあるが、一応正式に許可は得られている。サジェードが何を言おうとも、無駄なのだ。

「やめろ! 僕の屋敷を勝手に調べるな!」

 しかしながらサジェードは、騎士達を止めようと声を上げ始めた。
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