せっかくの婚約ですが、王太子様には想い人がいらっしゃるそうなので身を引きます。
「寂しかったなら、お兄様の方からラフェシア様を訪ねれば良かったのではありませんか? 色々と協力することもできたでしょうし……」
「いや、色々と取り込み中かもしれないし、気が引けてね。メルーナ嬢の失踪については、後から知ったからね……まあ、ラフェシアから手紙が届いてからは、こっちはこっちで探していて忙しくて」
「難儀なものですね、お兄様も……まあ、もう少ししたらラフェシア様も自由になりますよ」
「それなら、安心だ。しかし、お前はまたすぐに出て行ってしまうのだろうな」
「本格的に出て行くのは、もう少し先の話ですよ」
私はお兄様の言葉に、ゆっくりと頷いた。
イルドラ殿下との婚約、それは大きなことだ。このエリトン侯爵家の屋敷で過ごす時間も、後少しかもしれない。そう思うと、少しだけしんみりとしてしまった。
「いや、色々と取り込み中かもしれないし、気が引けてね。メルーナ嬢の失踪については、後から知ったからね……まあ、ラフェシアから手紙が届いてからは、こっちはこっちで探していて忙しくて」
「難儀なものですね、お兄様も……まあ、もう少ししたらラフェシア様も自由になりますよ」
「それなら、安心だ。しかし、お前はまたすぐに出て行ってしまうのだろうな」
「本格的に出て行くのは、もう少し先の話ですよ」
私はお兄様の言葉に、ゆっくりと頷いた。
イルドラ殿下との婚約、それは大きなことだ。このエリトン侯爵家の屋敷で過ごす時間も、後少しかもしれない。そう思うと、少しだけしんみりとしてしまった。