繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
回帰する前の事といえば、どうしても自分の死際を思い出してしまうからだ。
(覚えてる……よね、きっと。でも聞かなかったら、覚えてるって確定されないもの)
覚えていなければきっと同じことを繰り返すはずだ。
だが毎回違うのだから、きっと覚えているのだろうが、それでも知りたくないと思ってしまった。
私なんてただの生贄にしか思われていないかもしれないし、彼がどんな結末を求めて何度もやり直しているのかはわからないけれど、それでも気を失って倒れた私が起きた時、側についていてくれたのが義兄になったテオドルだから。
(ついさっき、落ちる私の手を取ってくれなかった人だってわかってるけど)
今までのどのテオドルも使用人であった以上私の側で起きるのを待つことは出来なかった。
そして今の彼ならばそれが出来る立場なのだと思い知らされる。
「……手を、握ってくれる? お義兄様」
「! あぁ。もちろんだ」
私がそっと手を伸ばすと、すぐに彼の大きな手が私の手のひらを包むように握りしめた。
今度の彼の手は水仕事で荒れていない手。
(覚えてる……よね、きっと。でも聞かなかったら、覚えてるって確定されないもの)
覚えていなければきっと同じことを繰り返すはずだ。
だが毎回違うのだから、きっと覚えているのだろうが、それでも知りたくないと思ってしまった。
私なんてただの生贄にしか思われていないかもしれないし、彼がどんな結末を求めて何度もやり直しているのかはわからないけれど、それでも気を失って倒れた私が起きた時、側についていてくれたのが義兄になったテオドルだから。
(ついさっき、落ちる私の手を取ってくれなかった人だってわかってるけど)
今までのどのテオドルも使用人であった以上私の側で起きるのを待つことは出来なかった。
そして今の彼ならばそれが出来る立場なのだと思い知らされる。
「……手を、握ってくれる? お義兄様」
「! あぁ。もちろんだ」
私がそっと手を伸ばすと、すぐに彼の大きな手が私の手のひらを包むように握りしめた。
今度の彼の手は水仕事で荒れていない手。