あなたと運命の番になる
「本当にすみません。」

蘭は落ち着きを取り戻す。
そして涙で濡れた和真のコートを慌ててふく。

「クリーニングだしますね。あっでもこんないい服、街のクリーニングだしても大丈夫ですか?それにクリーニングだしたら、しばらく着れないですよね。」

あたふたする蘭を見て和真は微笑む。

「クリーニングはいらないよ。ありがとう。」

「あっでも…。」

「蘭ちゃんは気にしすぎ!」

和真はそう言って蘭の頭をなでる。
赤く染める蘭の表情をかわいく思うとともに、愛おしさでいっぱいになる。

「ねえ、蘭ちゃん。これから先、なにか怖いことがあれば必ず言ってほしい。些細なことでもいいから。」

和真は先程と違って真剣な表情で言う。

「はい。ありがとうございます。」

「必ず守る。」

和真はそう言って、蘭をぎゅっと抱きしめた。
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