あなたと運命の番になる

怖い足音

今日も定時に仕事が終わる。田所は子どもの風邪のため休みだった。
田中と蘭はタクシーが待っているところまで向かう。

突然、田中の電話が鳴る。
蘭にごめんねの目配せをしてでる。

電話にでると田中の顔が青ざめていく・・・。

「蘭ちゃん、息子が下校中に怪我したみたいで病院に運ばれたのよ。意識はあるし、命に別状はないみたいなんだけど・・。」

田中のいつになく焦った様子に蘭も心配になる。

「田中さん、すぐ行ってあげてください。」

「えっでも、蘭ちゃん大丈夫??」

「私は大丈夫ですよ。タクシーの所まですぐですし。それより息子さんの所へ早く行ってあげてください。」

蘭におされ、田中はごめんねと謝りながら、急いで病院に向かった。

蘭は田中の息子が心配になりながら、歩く。
いつもならもう少し警戒心をもつが、怪我のことが心配で油断していた。




「やーと2人になれたね、蘭。」
突然、佐藤遊助に腕を掴まれる。

蘭は不意の出来事に目を丸くするが、遊助のにたっとした顔を見て、震える。
助けを求めたいが、恐怖で大きな声が出ない。

「や・・め・てく・・ださ・・い。」
蘭は小さな震える声で抵抗するが、遊助の力にかなうはずもなかった。

遊助の止めていた車に乗せられる。蘭は恐怖で頭が真っ白になり、呼吸が乱れる。

「蘭、これからはずっと一緒だ。誰にも邪魔はさせない。」

蘭の浅い呼吸音が車内に響いた。
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