あなたと運命の番になる
工場の電話が鳴る。
瞬は明日の会議で話す内容を整理しており、残っていた。

見かけない番号だなと思いながら、電話に出る。

｢大黒蘭の母親のものなのですが、工場に残っていますか？まだ帰っていなくて。｣

蘭の母が焦った様子でかけてきた。
いつもなら帰ってきている時間にも帰ってこず、連絡しても繋がらないので心配になった。

｢まだ帰られてないのですか？大黒さんはもう退勤していると思いますが・・。｣

瞬は一気に不安になる。田中から残業の話は聞いていないし、おそらく工場にはもういない。蘭の性格上、なにも連絡をせず、遊びに行くタイプには見えない。

｢そうですか・・あの子また何かに巻き込まれてるんじゃないかと思うと・・。警察に聞いてみます。｣

母は涙声で話す。

｢僕も探してみます。兄にもすぐ連絡しますので。｣

瞬はそう言って電話を切った。
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