あなたと運命の番になる
髪を乾かし、ソファーに座ると、突然体に疼く衝撃が走る。
ヒートを起こした。
そろそろだとは思っていたが、まさかこのタイミングでくるとは思っていなかった。
慌てて薬を飲み、ましになるが、疼きはある。



和真は家に帰ってくると、匂いがする。急いで蘭の元へやってきた。

「蘭、大丈夫か??」

和真が心配そうに話す。

「はい、さっき薬を飲んで少し落ち着きました。」

蘭はそう言って和真に抱きつく。
蘭がこうやって甘えてくることは珍しい。ヒートによるものと不安な気持ちからだろうと思う。

「蘭は帰ってからお風呂入った?」

蘭はこくこくと頭を縦にふる。

「分かった。じゃあ俺も先に浴びてきていい?」

和真が優しく見つめる。蘭はまた縦に首を振った。
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