あなたと運命の番になる
蘭は2人にバレないようパッと手を離す。
そして恥ずかしさから少し距離をとる。

「今日は楽しかったでーす!
また来週からもお願いしますー!」
少し酔った田所が明るく挨拶する。
田所は飲み屋の近所に住んでいる。
そのため、駅とは逆方向に向かって、歩いて帰っていった。

「大黒さん、帰ろうか!」

田中はそう言って、歩こうとする。
空は暗いが、飲み屋街のため、どの店も光が灯っている。

「夜道は危ないので送りますよ。」
和真が2人に声をかける。

和真は明日に大事な会議があるので、今日は飲まず、車で来ていた。

「えっ、悪いわよ!」

田中は遠慮する。

「私も大丈夫です!!」
蘭も断る。

「なにか起きてからだと遅いです。送っていきます。」

和真は強い眼差しを向ける。

田中はふっと微笑む。

「谷本くん、ありがとうね。
私は襲われるような年齢でもないし、大丈夫よ。
でも大黒さんのことは私も心配なのよ。
大黒さんのことだけお願いできる?」

田中は自分が蘭を家まで送るつもりにしていた。
ただ、和真の雰囲気をみて任せようと思った。
和真がなにかと蘭を気にかけているのは分かっていた。
今日だって好きなタイプを問いつめたのは和真のことをなんとなく探りたかったからだ。
結局困らせて、田所がフォローに入っただけだったが笑

蘭も和真に心を開いているように感じる。
彼の誠実さみたいなのは仕事を通して分かっていた。

「大黒さん、大丈夫??」

田中は念の為、蘭に確認する。

「私は大丈夫ですけど、申し訳ないというか・・。」

和真は優しい目をする。

「気にしないでください。じゃあいきましょうか。」

和真は田中に礼をして、駐車場に歩き出す。
蘭も後ろをついて行く。

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