あなたと運命の番になる
スカート
日曜日、陽菜とランチするため、イタリアンレストランに来ていた。
「お腹空いた!!早く食べよー。」
陽菜は楽しそうにメニューを見る。
陽菜は今年度からホテルに就職している。広いホテルのため宿泊はもちろん、パーティーなどが開かれることがある。陽菜は今バンケットスタッフとして働いている。
パーティーで見た芸能人が綺麗だったなどよく話をしている。
「あっそうだ!!瞬工場長初めて見たよ!一昨日のヤマシロの新作発表会に来てた。」
瞬は今は工場長という立場だが、ヤマシロが催す会には参加している。
「瞬工場長ってかっこいいんだね。優しそうな感じもするし、素敵な人だった。」
瞬工場長が来てから働きやすくなったと蘭が話しているので、もともと印象は良かった。爽やかで優しい雰囲気の彼を見るとさらに好感度は上がった。
「いやーー、でも特に驚いたのは次期ヤマシロ副社長の人だね。仕事出来るオーラ半端ないし、別格にかっこいいわ。ヤマシロはあの人がいれば安泰だね。蘭、安心して働きな笑」
陽菜は楽しそうに話す。
「パーティー会場でもモテててさ、ヤマシロのCMキャラクターのモデルさんとかと話してて、絵になるって感じだった。まだ独身らしいし、誰と結婚するんだろね。雲の上の存在って感じだったわー。」
陽菜は話終えると蘭が少し寂しそうな表情をした気がした。
「蘭??どうかした?」
「あっいや、別に・・。」
蘭は今日和真のことを陽菜に相談するつもりにしていた。ただ、和真の凄さを聞いて自信をなくしてしまう。
「えっなに??言ってよ。
私らの仲に秘密事はなしじゃん!!」
陽菜の真剣な表情に蘭はあったことを全て話す。
「ちょっと待って・・・。ほんとに???
谷本さんがヤマシロの次期副社長だったの!!」
陽菜は驚きを隠せず、つい声が大きくなる。
「えっ蘭ドライブ誘われて行ったんでしょ?どうだったの?」
「楽しかったよ。」
「楽しかったのは良かったけど、久しぶりの再会でなんか言われなかった?例えば会いたかったとか!」
図星なことを言われて蘭の頬が赤くなる。
「すごー!会いたかったって言われたんだ!!
次のデートとか決まってんの?」
陽菜は興味深々に聞く。
「決まってないよ。前のも別にデートじゃないし。それに山城さんモテてるんでしょ。他の女の子ともきっと色んなところ行ってるよ。」
蘭は思っていることを言う。
「わざわざ来て、ドライブだけの健全なデートってことはかなり脈アリだと思うよ。」
「そんな事ないよ。山城さんとは生きてる世界が違う。陽菜の話を聞いて改めて思ったよ。」
和真はモデルなどと普通に接することができる世界を生きている。人とうまく話すことすら苦手な蘭とは違うなと思う。
「蘭、ごめんよ。そんなつもりじゃなかったっていうか・・。たしかにすごい人だけど、別に釣り合わないとかは考えなくていいんじゃない。誰が誰を好きになっても自由だよ。」
陽菜の言葉に蘭は微笑んだ。
「でもさ、蘭。ひとついいかな?山城さんってたしかαだよね?その・・一緒にいて怖かったりしない?
蘭、αの人苦手かなって思ってて・・。」
陽菜は聞きにくそうに話す。陽菜は第2の性に関係なく、蘭にも恋愛してほしいと思っていた。ただ、αとの恋愛はヒートのこととかを考えるとあまり上手くいくとは思えない。
「えっ・・。αなの??」
蘭は驚いたように目を開く。谷本さんとして接していた期間、威圧感みたいなものを感じたことはなかったし、ほとんどの人がβのため、勝手にβだと思っていた。
ただ、あのオーラ、よく考えてみればαと言われても納得だ。
「うん。ホテルで催される会に出席する人の名前とか経歴みたいなものは軽く頭に入れておくようにしてて・・・。調べたから合ってると思うよ。」
陽菜は申し訳なさそうに伝える。
蘭は和真のことが急に怖い存在に思える。αの人に襲われた経験が蘭の心を暗くする。Ωのヒートはαにとって耐えられるものじゃない。ヒートを上手くコントロールできないΩが悪いという人もいる。強姦罪とは懲役5年以上が一般的だが、αがΩを襲った場合は懲役期間は短くなることが多い。実際に蘭を襲った人物は懲役3年という短さだった。
αは社会的地位が高い人が多く、擁護されやすい。第2の性のΩの不遇さを物語っている。
「あっでも、蘭のヒートの時、山城さんが助けてくれたって言ってなかった?」
陽菜は思い出したように言う。
「うん。でもαなんだったら、私の匂いしんどかったと思う。ヒートもちなんて嫌がられる。」
蘭が悲しそうに呟く。
「でも山城さんはヒートを経験してもまた蘭に会いに来たんだよね。嫌だったら絶対ドライブデートになんて誘わないよ。」
「デートなんかじゃないよ。久々に再会したから、話しただけ。それにもう職場も違うんだし、会うことなんてほとんどないと思うわ。」
蘭は少し吹っ切れたように言う。この前会った時は和真の優しさに心踊ったが、よく考えてみれば、Ωの私になんて恋愛は無理だった。深入りしてしまう前に気づけてよかったと思う。
「蘭・・。」
蘭の無理した発言に陽菜は悲しくなるが、なんと言えばよいか分からなかった。
「お腹空いた!!早く食べよー。」
陽菜は楽しそうにメニューを見る。
陽菜は今年度からホテルに就職している。広いホテルのため宿泊はもちろん、パーティーなどが開かれることがある。陽菜は今バンケットスタッフとして働いている。
パーティーで見た芸能人が綺麗だったなどよく話をしている。
「あっそうだ!!瞬工場長初めて見たよ!一昨日のヤマシロの新作発表会に来てた。」
瞬は今は工場長という立場だが、ヤマシロが催す会には参加している。
「瞬工場長ってかっこいいんだね。優しそうな感じもするし、素敵な人だった。」
瞬工場長が来てから働きやすくなったと蘭が話しているので、もともと印象は良かった。爽やかで優しい雰囲気の彼を見るとさらに好感度は上がった。
「いやーー、でも特に驚いたのは次期ヤマシロ副社長の人だね。仕事出来るオーラ半端ないし、別格にかっこいいわ。ヤマシロはあの人がいれば安泰だね。蘭、安心して働きな笑」
陽菜は楽しそうに話す。
「パーティー会場でもモテててさ、ヤマシロのCMキャラクターのモデルさんとかと話してて、絵になるって感じだった。まだ独身らしいし、誰と結婚するんだろね。雲の上の存在って感じだったわー。」
陽菜は話終えると蘭が少し寂しそうな表情をした気がした。
「蘭??どうかした?」
「あっいや、別に・・。」
蘭は今日和真のことを陽菜に相談するつもりにしていた。ただ、和真の凄さを聞いて自信をなくしてしまう。
「えっなに??言ってよ。
私らの仲に秘密事はなしじゃん!!」
陽菜の真剣な表情に蘭はあったことを全て話す。
「ちょっと待って・・・。ほんとに???
谷本さんがヤマシロの次期副社長だったの!!」
陽菜は驚きを隠せず、つい声が大きくなる。
「えっ蘭ドライブ誘われて行ったんでしょ?どうだったの?」
「楽しかったよ。」
「楽しかったのは良かったけど、久しぶりの再会でなんか言われなかった?例えば会いたかったとか!」
図星なことを言われて蘭の頬が赤くなる。
「すごー!会いたかったって言われたんだ!!
次のデートとか決まってんの?」
陽菜は興味深々に聞く。
「決まってないよ。前のも別にデートじゃないし。それに山城さんモテてるんでしょ。他の女の子ともきっと色んなところ行ってるよ。」
蘭は思っていることを言う。
「わざわざ来て、ドライブだけの健全なデートってことはかなり脈アリだと思うよ。」
「そんな事ないよ。山城さんとは生きてる世界が違う。陽菜の話を聞いて改めて思ったよ。」
和真はモデルなどと普通に接することができる世界を生きている。人とうまく話すことすら苦手な蘭とは違うなと思う。
「蘭、ごめんよ。そんなつもりじゃなかったっていうか・・。たしかにすごい人だけど、別に釣り合わないとかは考えなくていいんじゃない。誰が誰を好きになっても自由だよ。」
陽菜の言葉に蘭は微笑んだ。
「でもさ、蘭。ひとついいかな?山城さんってたしかαだよね?その・・一緒にいて怖かったりしない?
蘭、αの人苦手かなって思ってて・・。」
陽菜は聞きにくそうに話す。陽菜は第2の性に関係なく、蘭にも恋愛してほしいと思っていた。ただ、αとの恋愛はヒートのこととかを考えるとあまり上手くいくとは思えない。
「えっ・・。αなの??」
蘭は驚いたように目を開く。谷本さんとして接していた期間、威圧感みたいなものを感じたことはなかったし、ほとんどの人がβのため、勝手にβだと思っていた。
ただ、あのオーラ、よく考えてみればαと言われても納得だ。
「うん。ホテルで催される会に出席する人の名前とか経歴みたいなものは軽く頭に入れておくようにしてて・・・。調べたから合ってると思うよ。」
陽菜は申し訳なさそうに伝える。
蘭は和真のことが急に怖い存在に思える。αの人に襲われた経験が蘭の心を暗くする。Ωのヒートはαにとって耐えられるものじゃない。ヒートを上手くコントロールできないΩが悪いという人もいる。強姦罪とは懲役5年以上が一般的だが、αがΩを襲った場合は懲役期間は短くなることが多い。実際に蘭を襲った人物は懲役3年という短さだった。
αは社会的地位が高い人が多く、擁護されやすい。第2の性のΩの不遇さを物語っている。
「あっでも、蘭のヒートの時、山城さんが助けてくれたって言ってなかった?」
陽菜は思い出したように言う。
「うん。でもαなんだったら、私の匂いしんどかったと思う。ヒートもちなんて嫌がられる。」
蘭が悲しそうに呟く。
「でも山城さんはヒートを経験してもまた蘭に会いに来たんだよね。嫌だったら絶対ドライブデートになんて誘わないよ。」
「デートなんかじゃないよ。久々に再会したから、話しただけ。それにもう職場も違うんだし、会うことなんてほとんどないと思うわ。」
蘭は少し吹っ切れたように言う。この前会った時は和真の優しさに心踊ったが、よく考えてみれば、Ωの私になんて恋愛は無理だった。深入りしてしまう前に気づけてよかったと思う。
「蘭・・。」
蘭の無理した発言に陽菜は悲しくなるが、なんと言えばよいか分からなかった。