あなたと運命の番になる
昼食後、ショッピングをする。

「蘭にこのスカート似合いそう!」

そう言って陽菜は蘭に薄いブラウンのマーメイドスカートを合わせる。

「私は、ズボン派だから!」

蘭はそう言って、陽菜が合わせるスカートを断る。

「蘭ー。ヒートが大変なのはわかってるつもり。最近はヒートも安定してきてるんだし、大丈夫な日とかは、スカート履いてみたら!山城さんにデート誘われた時、履いていきなよ。」

陽菜はおす。

「私には似合わないよ。」

蘭はΩとかわかってから、とにかく内向的になってしまい、ファッションも安全性重視。華やかなものは似合わないと思ってしまっている。

「そんなことない!絶対似合うよ!!蘭スタイルいいんだしさ。ロング丈だから、いきなり生足だすわけでもないんだし、はじめてみやすくない?」

蘭は陽菜の押しにまけて、スカートを手に取る。そして鏡の前で合わせてみる。いつもより少し女性らしい自分がいた。でも自信がない・・。

「1回試着してみなよ!!ねっ!!もし、違うと感じるなら買わなきゃいいだけだしさ。」

陽菜はそう言って店員さんに試着室を空けてもらい、蘭を誘導する。

蘭は不安になったが、試着ならということで履いてみる。

「蘭ー。履けたら見せてね!!」

蘭はカーテンを開ける。
驚くほど似合っていた。

「蘭。似合いすぎてるよ!!かわいすぎるよ!」

蘭の細身のスタイルに沿ってヒップラインは綺麗だが、足元はふんわりとしていて、ガーリーな可愛さもある。
優しいブラウンの色合いが蘭の雰囲気とマッチしている。

蘭は陽菜の褒め言葉に恥ずかしくなる。
久しぶりの自分のスカート姿に嬉しくも懐かしい気持ちになる。楽しかった学生時代に戻ったような気がした。

「蘭!!買いなよ!そして今日はそのスカートのままショッピング続けよう!」

「えっ!!いきなりすぎるよ・・。」

「せっかくなんだし、着なきゃもったいないよ!それに今日は私がいるんだし、何かあっても大丈夫だから!ねっ!!」

「わかった!買ってみる。」

陽菜は店員さんにこのまま買うことを伝え、レジに行くよう伝えられる。

蘭はレジに進む。
今までなら絶対に蘭はスカートをはかなかった。和真の存在が蘭を変えてるのではないかと思う。
まだ和真の気持ちや蘭の和真が男性であることに対する恐怖心がどれくらいあるかは分からない。ヤマシロ副社長の和真との恋愛は色々と大変なこともあるだろう。
ただ今まで我慢してきた蘭に幸せになってほしいなと蘭の後ろ姿を見て思った。
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