ストーカー三昧・浪曲、小話、落語

ランボーの詩論(2)

この他にももちろん彼が携えて来た数々の詩編を称賛し、分けても「母音」という詩が一遍あって、こちらへの評価は一際だったそうです。短い詩ですのでついでにこちらもご紹介しておきましょう。
「Aは黒、Eは白、 Iは赤、Uは緑、Oはブルー
母音たちよ、何時の日か汝らの出生の秘密を語ろう

Aは黒いコルセット、悪臭に誘われて飛び回る銀蝿が群がって毛むくじゃら そのさまは深淵の入江のようだ

Eは靄と天幕の爛漫さ、とがった氷の槍 白衣の王者、震えるオンベルの花

Iは緋色、吐いた血の色、怒り或は陶酔のうちに改悛する人の美しい唇の笑み

Uは周期、碧の海の高貴な脈動 獣の休らう牧場の平和 錬金術師の学究の額にきざまれた皴の平和

Oは至高のラッパ 甲高く奇しき響き 地上と天空を貫く沈黙 あの目の紫色の光 おお、オメガよ!」
 えー、てな詩でして、こちらも我々には何が何だかさっぱりわかりませんのですがとにかく、文字、別けても母音たるアルファベットにはそれぞれ色があると、そう彼は述べているのでございます。
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