ならば、悪女になりましょう~亡き者にした令嬢からやり返される気分はいかがですか?~(試し読み)
アウレリアも途中で王宮の夜会から立ち去ろうとはしなかっただろう。
これ以上、ここにいたところで、彼がアウレリアに声をかけてくる可能性はない。絶対に、ない。
「俺も楽しかった――また、近いうちにどこかで」
エルドリックが、アウレリアとの再会を期待しているような言葉を口にする。それを本気にするはずはなかった。
どうやらエルドリックとアウレリアのダンスは、思っていた以上に注目を集めていたらしい。アウレリアがエルドリックから少し離れたところで、リリアンが近寄ってきた。
「お異母姉(ねえ)様、婚約者がいるのに他の方と親しくするのはどうなのかしら? お異母姉様だって、ふしだらとは言われたくないでしょう?」
続けられた言葉にエルドリックが肩を揺らすのを、アウレリアは視界の隅でとらえた。そんなに面白い発言だっただろうか。
人の婚約者から離れようとしなかったのはリリアンなのに、アウレリアにふしだらの烙印を押したいらしい。
これ以上、ここにいたところで、彼がアウレリアに声をかけてくる可能性はない。絶対に、ない。
「俺も楽しかった――また、近いうちにどこかで」
エルドリックが、アウレリアとの再会を期待しているような言葉を口にする。それを本気にするはずはなかった。
どうやらエルドリックとアウレリアのダンスは、思っていた以上に注目を集めていたらしい。アウレリアがエルドリックから少し離れたところで、リリアンが近寄ってきた。
「お異母姉(ねえ)様、婚約者がいるのに他の方と親しくするのはどうなのかしら? お異母姉様だって、ふしだらとは言われたくないでしょう?」
続けられた言葉にエルドリックが肩を揺らすのを、アウレリアは視界の隅でとらえた。そんなに面白い発言だっただろうか。
人の婚約者から離れようとしなかったのはリリアンなのに、アウレリアにふしだらの烙印を押したいらしい。